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安心できる蜂蜜生産の5つのポイント
1.花粉を取り除かない
集められたハチミツは漉し器を通します。
例えば、目の粗いザル → 目の細かいザル → 二 重にしたガーゼなどで漉されたものが理想的です。
これで蝋や結晶化した蜂蜜は漉されて取り除かれますが、花粉は通り抜けてきます。花粉は酵素やアミノ酸を含む栄養素を含んでいますので、できるだけ濾過してしまわないものが好ましいと考えています。
市販の大量生産の蜂蜜の場合、機械で圧力をかけ極めて目の細かいフィルターを使用して濾過しますので、蜂蜜の中に入っている蝋やプロポリスといった微粒はもちろん、花粉までも取り除かれてしまいます。これにより風味が台無しになるばかりか、栄養素も犠牲になるのです。裏話として、大量生産の蜂蜜が花粉まで取り除かれる理由はふたつあります。一つは、 蜂蜜の中に花粉があるとそこにあるアミノ酸などが核となって、結晶化が始まります。スーパーなどで蜂蜜を販売する際、透明な状態で陳列でしてある方が見た目も綺麗ですから、結晶化を進めてしまう「異物」をすべて除去してしまうのです。
もうひとつの理由は、花粉が取り除かれている蜂蜜は、花粉からその産出国を割り出すことができません。そのブランドの蜂蜜が正しい産出国を表記しているか調べる際は蜂蜜の中の花粉を調べれば分かるのですが、それを逃れる手法のひとつが花粉除去なのです。もちろん、もしその蜂蜜が汚染されていたり、蜂蜜を採取するエリアの農薬や殺虫剤や放射線物質などがあれば、花粉にもっとも多くくっついていますから、それらを除去することで毒性を低くするという目的でも花粉は除かれます。逆に言えば、花粉という様々な栄養素を含む部分が毒性と共に除かれてしまうのは、せっかくの蜂蜜の効能を台無しにしてしまいます。初めから、花粉を取り除かなくても安心な蜂蜜を入手したいものです。
2.ハチミツを加熱しない
量産されている蜂蜜は非常に高い確率で加熱されています。
はちみつは加熱すると香りをはじめとして風味、色そして栄養素や効能も失われてしまいます。特に、蜂蜜は色で効能の見分けがつくので、色が変化してしまうのは大きなダメージです。それではなぜ加熱することが多いのか?というと効率化に集約されるでしょう。蜂蜜は加熱すると、あのねっとりとした美しい黄金色の液体が水のようにサラサラになります。濾過する工程や瓶詰めのプロセスは、蜂蜜がサラサラしていればしているほどスムーズに行われるのです。つまり生産の効率化のために加熱されるわけです。また加熱で煮詰めることによって、抗菌度を高めるという効果もあります。マヌカハニーに代表されるMGO(メチルグリオキサール)は、加熱によって濃度が高まります。抗菌作用が高いことが、健康に良いと刷り込まれてしまっている市場が非常に大きいことは残念です。
市販されているはちみつでも非加熱( Cold Extracted )、または生蜂蜜(Raw Honey)と表記されていますので、そう いった記述があるものも参考にしましょう。ただし、生蜂蜜が全て安全な蜂蜜という訳ではありません。グリフォサートやネオニコチドといった、農薬の存在も忘れてはなりません。
3.巣枠の蝋は交換をできるだけしない
蜜蜂たちは空の巣穴のミツロウの表面に殺菌、消毒のためにプロポリスを塗ります。
そこに貯蔵された蜂蜜はうっすらとその風味がつきます。蜂蜜の種類によっては、シーズンごとに巣枠を取り替える養蜂家もいます。
シーズンを重ねた巣枠のミツロウはプロポリスによって抗菌作用や免疫に対する作用はパワフルになります。
プロポリスは独特な匂いがするので、人によってはあまり好きじゃないかもしれません。プロポリスについては、別ページに詳しく載せてあります。
4.ミツバチに砂糖(コーンシロップ)を与えない
砂糖水やトウモロコシから作る甘いシロップをミツバチ達に餌として与 える養蜂家も存在します。
なぜミツバチにシロップを与えるのかというと、単純に蜂蜜の収穫量が増えるからです。しかし、これにはマイナスな点が大きいのです。ミツバチたちは自分たちの食料としてそのシロップを食べるのですが、エネルギーとして必要以上の分は巣穴に貯蔵し始めます。つまりその巣にある蜂蜜には花の蜜ではなくシロップが混じってしまう恐れが大いにあるわけです。食べてみてすぐにその違いをわかるようになるには、ちょっとした経験が必要かもしれません。シロップたっぷりの蜂蜜なのかどうかは、自分で感じる以外には、養蜂家に問い合わせしてみるのも方法です。
本来、蜜蜂たちの食料であるべき分の蜂蜜だということを忘れないでいたいですね。私たちが蜂蜜を摂取するがゆえに、ミツバチの食料を取りすぎて営利の為にシロップを与え、採取できる蜂蜜量を増やす。これは何だか本末転倒な話です。
あくまでも、自然のおすそ分けであることを忘れることなく、おこぼれを大事にいただきたいものです。
ナウシカでしたか、映画のセリフに「虫たちと相談して分 けてもらう」という下りがあります。まさに、この感覚が大事なのだと思います。「自然のおすそ分け」であることは覚えておきたいですね。
5.クスリを使わない
ミツバチには天敵がいます。ミツバチに寄生するダニは世界で猛威を振るっていて養蜂家の頭痛の種です。アメリカでは養蜂されているミツバチの半分が死滅したと言われるほど猛烈な影響も出ています。もちろん、これはダニの問題だけでなくグリホサートという殺虫剤の悪影響も大いにあることは忘れてはなりませんが。
このダニを退治するために養蜂業者達は固形の殺虫剤を巣箱の中に設置しておきます。この殺虫剤はダニだけに効いてミツバチには影響がない、とされていますが、その影響ははっきりとわかっていないのです。また、ミツバチの病気を防ぐために餌のシロップに抗生剤を混ぜたりしている養蜂家も少なくありません。ミツバチが病気にならないように、という気持ちからのこともあるかと思いますが、概ねこれが当たり前だとする養蜂家が多いのが実態です。日本に限らず、ヨーロッパでもミツ バチを守るためという理由で薬剤を使用している養蜂家も少なくはありません。
蜂蜜を個人輸入するのですが、薬剤使用の有無を問い合わせた途端に、いきなり音信不通になる養蜂家もいるのです。殺虫剤やこうした薬剤が蜂蜜に混入してしまう可能性は全く否定できません。今のところ、タスマニアやニュージーランドにはこの寄生ダニがいないと認識されています。また抗生剤の使用もないところがほとんどです。ロシアのタイガエリアも問い合わせた範囲では安心でした。しかし、使用することを望ましいと考えていらっしゃる養蜂家も存在することは否定できません。輸入する際には、ラボトリーでの検査は必ず通すことを推奨したいです。
なぜ、殺虫剤や抗生剤の使用された蜂蜜をお薦めできないのか?ということは、別ページで詳しく載せておきます。